概要
従業員が退職した場合などにkickflow上のユーザーを削除する際に注意をしたい点がいくつかあります。削除対象のユーザーが申請者の場合、承認者の場合それぞれについて考慮しておくべき点を解説します。
ユーザーを削除するとなにが起きるか?
申請者観点
- 処理中チケットが強制的にアーカイブ処理される
- 完了済は影響しない
- アーカイブ化されるとそのチケットは再利用できなくなる
- 複製して別の人から再申請は可能だが、また承認するなどが手間
承認者観点
- そのユーザーしか承認できないステップにいるチケットが動かせなくなる
- 「チケットの管理権限(編集)」を持っている管理者の方による復旧が必要
- 承認経路でそのユーザーのみby name指定されている場合は経路エラーとなる
- 経路エラーが起こるとWF自体が非公開化される
- すでに処理中チケットは影響無いが、エラー修正して再公開するまで申請できない
- チームステップで1名しかいない場合のユーザー削除の場合はエラーにはならないが滞留する
対策といつ削除するべきか?
申請者観点
- Best:マイチケットの引き継ぎ機能を使った後
- 「誰が後任になるのか」を事前に把握するオペレーション構築が必要
- Good:そのユーザーが申請したチケットで処理中がなくなっている状態を確認後
- チケット検索にて確認可能
- いつ全てが完了になるのかが管理者側では分からない/コントロールできないのが欠点
承認者観点
- Best:承認リクエストの引き継ぎ機能を使った後
- 注意:引き継ぎはその時点での承認待ちチケットのみが対象のため、組織図の所属等や必要に応じた経路修正後に実施しないとあまり意味がない
- Good:ユーザー削除実施前に必ずすべての承認行為を完遂してもらう
- 注意:(上記Best同様)組織図の所属等や必要に応じた経路修正後に実施しないと、リアルタイムでその方が承認者となるチケット申請がされてしまうのであまり意味がない
多くの企業で実施されている例(他社事例)
申請者観点
退職60日経過後に一律削除などルール化
- 最終出社日/退職日にて一時停止に変更
- ある程度日数経過しても残っているチケットが巻き込まれてもやむなし
承認者観点
代理承認 + 退職60日経過後に削除
- 退職日ではなく最終出社日から本人が承認しなくなってしまう
- なので最終出社日前から後任に代理承認を付けておく
- 代理元ユーザーを削除/または一時停止にすると代理承認が機能しなくなるので注意
- 代理承認は対象ワークフローを絞ることが可能なので、ワークフロー単位で引き継ぎ先を変えるということは可能
推奨する考え方
退職者が出た時点で機械的に即ユーザー削除はリスクがあるため推奨しません
ユーザー毎のチケット申請状況や経路状況を見ながら都度判断できるとBestですが、運用担当者の実務ベースで考えると現実的に難しいので、「他社事例」で記載したように一律ルール化して運用することを推奨します